以前は「新卒で入った会社は最低3年は続けるべき」と言われていましたが、最近では「自分に向いていないと思ったらさっさと転職した方が良い」という人も多いです。
第二新卒の転職にはさまざまな意見がありますが、「転職したい!」と思ってしまったらもう止められないですよね。
でも本当に転職するなら、少しでも「転職して良かった」と思える決断をしたいものです。
そこで、「転職したい」と思った時に考えておくべき5つのポイントについてご紹介します。
この記事のポイント
- ①その転職したい理由、本当に転職で解決する? 「転職動機」「適性」「捨てていいもの&得たいもの」をリストアップで可視化する
- ②“転職”とは、新しい会社で0からひとりきり、再スタートすること。覚悟が決まったときのための、転職先の探し方を紹介
- ③後悔しない転職のために、気持ちのよい退職方法を考えよう。丁寧な仕事を心がけるためのポイントを紹介。あなたの目的を達成するための転職活動に!
目次
20代前半で転職したい理由を明確にする
「転職して良かった!」と思うためにも、転職志望理由を書き出しておくそもそもなぜ「転職したい」と思ったのでしょうか?
「良かった!」と思える転職をするためには、同じ失敗を繰り返さないためにも、転職の希望理由や目的を明確にしておく必要があります。
転職して後悔しないように、次にご紹介する手順を踏んで、まずは転職の必要性の有無について考えましょう。
転職したい理由を書き出してみる
転職を決める前に、一度、転職したい理由を書き出してみましょう。
書き出すことで、それまでぼんやりと考えていた理由を明確にすることができます。
たとえば、20代前半の転職では以下のような理由がよく挙がります。
- 仕事がつらい、おもしろくない
- 入社してみて仕事の内容や会社の雰囲気が想像と違った
- 休みがとりにくい
- 専門性が身についていない気がする
- 人間関係が辛い
- 同年代より給料が低い
- 会社に将来性を感じない
その問題は転職することで本当に解決できる?
思い浮かぶ転職理由を書き出したら、次に以下の3点について自問してみましょう。
①人間関係が理由になっていないか
同僚や先輩、上司との人間関係での悩みは本当に多いと思います。
深刻な場合には、会社に行くのも辛いですよね。
でも、転職しても一番改善しにくいのが、この人間関係かもしれません。
確かに今の人間関係からは離れることができますが、転職先で人間関係に恵まれるとは限らず、もっと嫌な環境になってしまう可能性もあります。
人間関係が理由で転職を考える場合には、「転職したからといって改善できない可能性もある」ということは頭に置いておきましょう。
②本当に解決できない問題なのか
その転職理由は、本当に今の会社では解決できない問題なのでしょうか?
たとえば前述の人間関係問題。
本当にイヤで仕事を辞めたいと思うほど耐えられないのであれば、相談できそうな上司や先輩に相談してみるのも方法です。
何か良い案がもらえるかもしれません。
自分の力で解決できないとしても、誰かが働きかけてくれる、もしくは知らない改善策がある、ということもあるので、「今の会社では本当に改善できないのか」について一度は考えておきましょう。
③どこに行っても同じ問題を抱えてしまう可能性はないか
たとえば、「仕事が面白くない、専門性が身についていない」という点においては、入社して間もない新人は、まずはビジネスの基礎固めから始める会社が多いです。
そのため、面白そうな仕事や、専門的な仕事にすぐに着手するのは難しいと考えられます。
この環境は転職したところで同じです。
どこの会社でも新人のうちは、なかなか最初から専門的な仕事を任されることはありません。
あなたが挙げた転職志望理由は、転職することで本当に解決できる問題なのか否かについてよく考えてみましょう。
20代前半で転職する前に実際に働いてみてわかったことリストを作る
実際に働いてみてわかった自分の適性、捨てても良いもの&得たいものリストを作るあなたは学生から社会人になって数年、それとも数か月でしょうか。
少しの期間でも、実際に社会に出て働いてみて気づいたこと、わかったことがあると思います。
転職を成功させるためにも、あなたの“気づき”についてまとめておきましょう。
仕事に対する自身の適性について振り返る
実際に働いてみた経験から、自分の適性について考えてみましょう。
たとえば私の場合、新卒で入った会社で「法人の新規テレアポ」を毎日やり続ける仕事に就きました。
- リストを用意する
- 実際に電話をかける
- アポがとれたら営業に行く
- 提案資料を作って再訪問
という大まかな流れです。
通常、新規のテレアポを嫌がる方が多いのですが、私の場合テレアポは楽しく比較的アポがとれたので、1日に5件新規で回る日々が続いていました。
その中でストレスになったことは以下のようなことでした。
- 一人ひとりのお客様にかける時間が少なくなってしまうこと
- きちんとした提案ができない=売上がたたないので多くの顧客を訪問する必要があること
もし「仕事内容」が転職理由の1つとして挙がっているのであれば、「この職種がイヤ!」ではなく、具体的に流れを書き出すなどして、とくに何にストレスを感じているのかについて考えておきましょう。
捨てても良いもの&得たいもの
転職で、自分の理想を全て叶えるのは難しいものです。
何かを手に入れる代わりに、何かを手放す必要があるかもしれません。
たとえば、以下のように思いつくものをリストに書き込んでいきます。
何個書き込んでも良いので、ここは思いつく限り、自由に書き込んでおきましょう。
「給料は今より下がっても良いから、職種にこだわりたい」と考えるなら、
- 捨てても良いものリスト:お金(最低◯円まで)、働く時間は終電で帰れるなら可
- 得たいものリスト:希望職種に就くこと、その職種での経験、必要なスキルを身につけたい
捨てても良いもの、得たいものが明確になっていれば、目的地が見えてくるので「転職して良かった」と思える確率がぐっと高まります。
20代前半の転職では全てが0からになることを覚悟する
人間関係や仕事内容、全てが0からになることを覚悟できますか?転職の理由や目的が明確になってきましたが、転職にあたり覚悟も必要です。
20代前半の転職の特徴:意欲や姿勢が評価される
20代前半の転職の最大のメリットはスキルが無くても、採用を検討してもらえるという点。
30代以降になると、専門的なスキルや業界での経験が採用基準となるため、異業種、異職種への転職が難しくなります。
20代はまだ異業種にもチャレンジできる時期。それは、「スキルや専門性」よりも「意欲や姿勢」が採用基準になるからです。
しかしそれは、「再度0からうちで頑張ってください」という意味でもあります。
新しい会社で再度0から頑張れる?
転職をすると、仕事内容、覚えるべきこと、人間関係、会社の風土に慣れることなど、全てが0からのスタートになります。
転職する覚悟は決まっていますか? 困った時に支え合ってきた同期の存在ももうありません。
気軽に相談できる先輩がいるかどうかもわかりません。
そんな中で「0から頑張っていこう」と思えますか? もし少しでも迷いがあるなら、それはまだ転職に向けての覚悟が足りないということかもしれません。
20代前半の転職先を選ぶ基準
転職理由やあなたの適性が明確になったら、会社探しを始めてみましょう!
もし、「0から頑張るつもりなので、転職したい!」と明言できるほどの想いが固まっているのなら、次はいよいよ転職先探しです。
転職先の選び方
転職先の探し方、選び方にはさまざまな基準があります。
ここは、これまで書き出した「転職理由や得たいもの」を基準に探していくのがオススメです。たとえば、以下のような基準から選びます。
- 残業の少ない仕事に就きたい →会社で選ぶ
- 身につけたいスキルがある →職種で選ぶ
- 将来出産しても働きたい →環境(出産後にも働き続けている女性が多いか)で選ぶ
将来を見据えた会社選びの3つのポイント
将来を見据えた会社選びのポイントは3つ。
① 職種は同じでも会社の規模で仕事範囲は変わる
ひとつの職種をとっても、会社の規模や経営方針により、仕事の範囲はさまざまです。
・ベンチャー企業や小さな規模の会社
ひとつの仕事に限定されず、比較的若いうちにさまざまな経験を積めるのが魅力。
ひとりにかかる責任や負担が大きいですが、多くの実践を積むことができます。
デメリットとしては、研修や教育体制が整っておらず自分で学んでいく必要があること。
・大きな規模の会社
研修がしっかりしておりサポート体制が充実。
ただし、ひとりあたりの仕事の範囲が限定されており、全体の一部のみを担当して終わることも。
デメリットとしては達成感を感じにくいことや経験の幅が広がらないこと。
どちらが良い悪いというのではありません。自分がどのような働き方をしたいか、で選ぶのが良いと思います。
② 憧れる働き方をしている先輩はいるか
憧れの職種についている先輩がいるのかも重要なポイントです。
なぜなら、すでにあなたのやりたい仕事をしている先輩がいるということは、あなたもその仕事に就ける可能性が高いからです。
しかし「肩書」だけでなく、その先輩の仕事内容が自分が求めているものと合致しているのかについて確認する必要があります。
③ スキルを習得した自分の未来像が想像できる会社か
憧れの働き方をしている先輩がいたとして、その働き方や職種に就くまでにどのくらいの期間が必要なのか、第二新卒として入社してその職に就けるか(スキルの習得は可能か)といったことも調べておいた方が良いでしょう。
第二新卒として転職する場合には、なるべく「次こそ長く働くこと」を意識しましょう。
あまりに転職回数が多いと転職しにくくなるほか、専門的な知識が身につきにくくなってしまいます。
特に習得したいスキルがある場合には、長く働いてこそ、さまざまな経験を積むことができ、より専門的なスキルや知識を身につけることができます。
20代前半の転職で後悔しない! やめる前にすべきこと
転職活動を始めると同時にすべきこと、退職が決まったらすべきことがあります。
ここまでくると転職したい気持ちが強くなっている頃でしょうか?
でも後悔しない転職をするためにも、今の会社をやめる前にすべきことが2つあります。
不平・不満や転職の意思を会社に相談してみる
「転職したい!」という気持ちが高まっているかもしれませんが、一歩踏みとどまって、もし会社に対して不平・不満があった場合には、一度相談してみましょう。
転職先が決まっていれば、会社に対して少し強気で意見を伝えることもできると思います。
会社としては、ひとりの人材を雇用するのにお金をかけ、多くの人材の中から選んだ、大切な「あなた」です。
何の相談も無しにやめていってしまうのは悲しいものがあります。
「こういうことで悩んでいる。転職も考えている」ということは、上司や先輩に一言相談した上で、転職を決めましょう。
退職が決まったら気持ちよくやめる方法を考える
新卒で入った会社というのは、社会人経験0だったあなたにビジネスのいろはを教えてくれた場所でもあります。
また、新卒の同期というのは、苦難を一緒に乗り越えた特別な存在ではないでしょうか。
かわいがってくれた先輩もいるかもしれません。
そういった方々とは、次にいつ、どんなご縁でつながるかもわかりません。
「この会社はもう辞めるから適当でいいや」ではなく、周りの人に「あの子、辞めたけどいい子だったよね」と言ってもらえるくらいに気持ちよくやめる方法を考えましょう。たとえば、
- 先輩や同僚にはしっかりとお礼を伝える
- 自分が教わったことでマニュアルがなければ作成しておく
- 後任の人が働きやすい環境を作っておく
など、辞めることが決まっているからこそ、最後までより丁寧な仕事を心がけましょう。
【まとめ】20代前半は転職先が決まってからがスタート!
あなたの転職はきっと上手くいく!以上が、第二新卒で「転職したい!」と思ったら考えておくべき5つのことですが、今の会社をやめて新しい会社が決まったらそこで終わりではありません。
次に就職した会社で、「自分が本当に欲しかったものを掴み取ること」が目的のはずです。
転職活動はその先の目標に進むための準備段階と考えて、自分自身や会社、仕事について研究をしていきましょう。
あなたの転職がうまくいくことを願っています!